知っているようで知らない『補酵素』とは?

Posted 2015.09.24

補酵素って何でしょう?

『酵素』という言葉は最近様々なメディアで情報が発信されているので、ご存じの方も多いと思いますが、『補酵素』という言葉はあまり聞きなれない言葉ではないでしょうか?

『補酵素』とは字が表すとおり、『酵素を補う』役割をもつ重要な成分です。英語だとCoenzyme(コエンザイム:Co=補う+enzyme=酵素)と書きます。コエンザイムQ10というと聞いたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、こちらも補酵素の1種類となります。

補酵素とは酵素を補う成分ですが、酵素が体内でしっかりと働くためには補酵素は必要不可欠なもので、食べ物などからしっかりと摂取しなければなりません。

今回は補酵素について簡単にお伝えできればと思います!

補酵素(COENZYME:コエンザイム)とは・・

酵素の役割として、食べたものを分解・消化・吸収・排泄、代謝などといった働きをします。しかしほとんどの場合、酵素単体では働く事が出来ず(酵素の中では単体で働くものもあります)酵素をサポートする成分が必要です。そのサポート成分が『補酵素』になります。

酵素単体のものをアポ酵素(apoenzyme)といいますが、これだけでは代謝や消化といった化学反応を起こすことは出来ません。また補酵素だけでも、生命活動に必要な化学反応を起こすことは出来ません。しかし、アポ酵素と補酵素がタッグを組むとホロ酵素(holoenzyme)と呼ばれるものになり、これでやっと代謝や消化といった化学反応を起こすことが可能となります。

だから酵素と補酵素はきっても離れられないベストカップルといえます。

酵素君補酵素さん

 

補酵素の種類

補酵素とは何をかくそう、おなじみのビタミンやミネラルが補酵素(因子)として酵素の働きをサポートしています。こんなところでもビタミンとミネラルは活躍しています。その中から一部を抜粋して、どのような働きを担っているかご説明いたします。

  • ビタミンB1・・補酵素として、糖質(炭水化物)の代謝に関わっています。
  • ビタミンB2・・補酵素として、糖質(炭水化物)や脂質の代謝に関わっています。
  • ビタミンB6・・補酵素として、たんぱく質の分解や再合成に関わっています。
  • ナイアシン・・補酵素として、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わっています。
  • 葉酸・・補酵素として、たんぱく質と核酸の代謝に関わっています。
  • マグネシウム・・補酵素として、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わっています。

上記は補酵素の中でもほんの一部ですが、他のビタミンやミネラルも補酵素として活躍しています。

ビタミンB1~葉酸までは『ビタミンB群』と呼ばれるグループで代謝に深くかかわっている成分たちなので、覚えておきましょう。

補酵素を摂る時の注意点

何事も〇〇過ぎはよくないですが、体に良いビタミンやミネラルも摂りすぎると逆に悪影響を起こす場合がありますので、特にサプリメントなど栄養強化剤で摂取している方は注意してください。

●脂溶性ビタミン(ビタミンA,ビタミンD,ビタミンE,ビタミンK)は摂取上限量があります。

  • ビタミンA・・成人の上限量は2,700μg/日
  • ビタミンD・・成人の上限量は100μg/日
  • ビタミンE・・成人の上限量は650~700mg/日
  • ビタミンK・・成人の上限量は150μg/日

●ミネラルの一部には摂取上限量があります。

  • カルシウム・・成人の上限量は2,500mg/日
  • リン・・成人の上限量は3,000mg/日
  • 鉄・・成人の上限量は40~55mg/日 ※成人女性は40mg/日
  • 亜鉛・・成人の上限量は35~45mg/日 ※成人女性は35mg/日
  • 銅・・成人の上限量は10mg/日
  • マンガン・・成人の上限量は11mg/日
  • ヨウ素・・成人の上限量は3,000mg/日
  • セレン・・成人の上限量は25~30mg/日 ※成人女性は25mg/日
  • モリブデン・・成人の上限量は450~550mg/日 ※成人女性は450mg/日

野菜や果物、肉類など通常の食事で栄養素を摂る分には、余程の過剰摂取をしない限り上限を上回ることはありませんので神経質にならなくても大丈夫です。

補酵素は何から摂れば良いの?

補酵素を摂るには、野菜や果物が適していると思います。生の野菜や果物には酵素やビタミン、ミネラルが含まれていますので、一挙両得です。サラダなどが食べづらければ、ミキサーでスムージーにすれば美味しく、しっかり量も摂れるのでオススメです♪

以上、長文をご覧いただきありがとうございました。

次回のヘルス・ビューティーコラムは抗酸化成分として知られる『フィトケミカル』についてお話したいと思います。